2025年1月掲載

GXと電気自動車の未来を語る
Audi Green Transformation トークセッション
レポート

2024年に弊社Audi Q4 e-tronアンバサダーを務めた株式会社フェイガーCEO 石崎貴紘氏と
日本におけるAudiのインポーターであるAudi Japan(フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社)CEO マティアス シェーパース氏をゲストに迎え、
弊社代表取締役社長のイヴァイロ プレフと共に「これからのGX(グリーントランスフォーメーション)とビジネスを考える」をテーマにしたトークセッションを
Audiみなとみらいにて開催いたしました。
地球の未来を考えるうえで避けて通ることができないGXについて、3社と参加者の方々で意見を交えた様子をレポートいたします。

登壇者

株式会社フェイガー CEO
石崎 貴紘 Takahiro Ishizaki

フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社 CEO
マティアス シェーパース Matthias Schepers

Audi Volkswagen Retail Japan株式会社 CEO
イヴァイエロ プレフ Ivaylo Pulev

各社の環境に関する取り組み

カーボンクレジットを通して実現するフェアネスとサステイナブル

石崎:フェイガーは農業の脱炭素を推進し、農業由来のカーボンクレジットの生成・販売を手がけるカーボンクレジットデベロッパーで、現在3期目となります。私たちの最終的な目標は「持続可能な農業」を実現すること。なので、農業における脱炭素推進とともに気象変動にも適応可能な品種改良や栽培方法の改良に向けて、企業や研究機関と連携し実証実験を行い、収益性、収量、環境価値をあげるための活動も行っています。2023年から2024年にかけて、ご協力いただく農家さんは30倍、クレジット生成量も約20倍増え、35都道府県へと脱炭素の活動が広がっています。海外でも、東南アジア諸国を中心に取り組みが始まりました。脱炭素農法だけでなく営農技術も持ち込むので、日本国内よりさらに我々としてできるアップサイドが多いと感じています。地球を守る取り組みを行う事業者に評価・収益を還元することを軸に社会課題の解決に向けてチャレンジするというのが我々の取り組みです。

サステイナビリティとビジネスを両輪に前進する

マティアス:Audiもサステイナビリティをブランドの軸として動いています。電気自動車(以下、BEV)に一番力を入れていますが、商品がかっこいい、キレイ、乗っていて楽しい、疲れない、などお客様からの評価を得られなければビジネスが成り立ちません。サステイナビリティとビジネスを両立させる工夫をしているポイントが石崎さんと共通していると思います。100年に1度という自動車業界の変革期の中で、100年以上車を作っているAudiは、固定概念にはまらず、常に新しいものを提案し続けるブランドです。例えば、四駆は遅くて曲がらないと言われていたのを、80年代に開発してラリーで勝つようなったり。2026年からはF1にも参入します。

Audiでは既にすべてのBEVがカーボンニュートラルな工場で作られています。販売店のCO2排出についても、再生エネルギーを購入している販売店には我々から補助金を出す仕組みを導入しています。一番重要なのは、車利用によるCO2の排出なので、BEVがポイントです。そのためには日本も、もっと再生エネルギーに力を入れなきゃいけない。我々ができることとして、日本で初めて再生エネルギーの蓄電池型急速充電器を導入しました。日本の再生エネルギーのポテンシャルを伝えるメディアツアーもやっています。これも業界初で3年目になります。北海道の風力発電所では電気が余っていたし、屋久島は水力発電で99%がクリーンエネルギーです。日本はまだ再生エネルギーが3割未満ですが、本当はもっとポテンシャルがあります。それを活用すればBEVの真のメリットが発揮できると感じています。

世界で展開する多角的な環境配慮

プレフ:私たちのポルシェホールディングスは、従業員が3万6千人規模、昨年は世界中で75万台の車の販売実績を出しています。ヨーロッパとアジアをメインに世界に500以上の販売拠点を持っており、販売車種が多いのも強みになっています。

サステイナビリティな取り組みとしては7本の柱があります。①ゼロミッションモビリティーは、インポーターと電動化をどう進めるか。②グリーンファイナンスでは、投資先が環境、持続可能性に配慮しているかを確認しています。③サーキュラーエコノミーについても、インポーターと連携しながら循環型社会づくりを進めています。④グリーンビルディングは、ディーラーのショールームで断熱性能が担保されているか、再生エネルギーの利用ができているか、そういった配慮です。⑤グリーンオペレーションはデジタル技術を活用して環境負荷を減らしていく取り組み。⑥ワークフォートランスフォーメーションは、いかに人財を育てていくか。ルールや規則に基づいているかのガバナンスが必要です。⑦気候変動は待ったなしの課題、時間との戦いなので、社会貢献していくことが重要だと思っています。

なぜAudiはBEVにフルコミットしているのか
日本では疑問視する声もある中で、BEVは正しい回答なのか

BEVに技術の粋を極める理由

マティアス:乗用車に関しては、BEVが正しいというのが我々の考え方です。それを貫くしかありません。BEVの市場は、中国ではハイブリッドも入れて約51%、ほとんどのヨーロッパ諸国は20%以上ですが、日本はトータルマーケットの2%だけです。世界がBEVに代わっているのを日本は感じにくい、たぶんアフリカ以外の全世界で最も感じにくい市場じゃないかと思います。周りで起きていることをジャッジして、ビジネスチャンスとして早めに動かねばなりません。ただ、リスクはあります。ユーザーがついてこなければ、売れなければ、いくらアピールしても意味がないですよね。リスクを分かった上でホワイトスポットを取りにいっているのが世界、特に日本でのAudiブランドの戦略ですよね。

暮らしを創造するコンサルテーション

プレフ:我々も電動化に舵を切ると決めました。販売会社としては、人財育成やインフラの整備など貢献できることがたくさんあります。販売会社は、お客様との接点を持つ特別な位置づけにあります。セールスコンサルタントがお客様の声に耳を傾けて、ニーズを理解し、提案できるスキルを身につけることがBEVへの移行に貢献できると考えています。政府からの助成金があるか、航続距離はどのくらいか、など情報提供をする役割もあると思います。BEVをもつことでどのような人生を創造できるのか、私たちがコンサルテーションしていかねばなりません。充電インフラの整備は、お客様が購入時に最も迷われることなので、販売拠点に充電器を置くこともそうですし、インポーターと協力しながら整備に取り組んでいきたいです。

ワンチームでBEVの可能性を信じる

石崎:AudiさんがBEVに決めた、というのは大変共感する部分です。将来は読めない中、未来を信じられるのはなぜなのでしょうか。裏側にある想いを聞かせてください。

マティアス:チャレンジするブランドとして仲間が集まっているので、次の世代に何を残すのかという価値観を持っていることが原動力です。何千人もの技術者がもっといい車を作れる、BEVはもっといい自動車だと信じているから、ぶれずにいけると思います。

Audi Q4 e-tronのアンバサダーとして
BEVに乗ってみてどんな印象を持ったか

石崎: BEVは初めてですが、いい意味で違和感なく乗れています。操作性など運転の難しさが一切なく、乗る人のことをすごく考えて作られている車だと感じています。農家さんのところに伺う際に Q4で行くと、最初は「田んぼに高級車でやってきて何事か」という雰囲気になるのですが、Audiさんとの取り組みや背景をお話させていただくと、皆さん、その思想に共感してくださいます。AudiさんがQ4を作られた価値観に乗っている感覚があって、自分の価値観に合った車に乗らせてもらえる喜びが一番大きいです。

司会:販売店では、買った方にどんな評価をいただいていますか?

プレフ:BEVを運転してみると、特別な操作が必要なく、自然に運転を楽しめるという声を聞きます。内燃機関のモデルと比べて、修理などのサービスの必要性もかなり低い、というのもグローバルレベルでお客様からいただいているコメントです。

Special Interview

My Style with Audi
Audi Q4 e-tron | フェイガー 石崎貴紘

本イベントに登壇いただいたAudi Q4 e-tronアンバサダーの石崎貴紘氏に、Audi Q4 e-tronの魅力だけでなく、農家向け脱炭素施策の収益化と企業とのカーボンクレジットの流通サポートを行う株式会社フェイガーの活動についてや、どのようにすれば前向きにサステイナブルな活動を行われ続けられるかを語っていただきました。

スペシャルコンテンツを読む

参加者からのQ&A

カーボンクレジットは、農業・食糧と工業・自動車業界が仲良くするいい事例だと思います。ヨーロッパではどんな動きがあるのか教えてください。

マティアス:VWグループの中で、カーボンクレジットゴールドスタンダード というのがあり、工場などの投資をする段階でCO2を減らすプロジェクトに変えて、それをカーボンクレジットで売買するビジネスモデルがあります。日本でやるなら、日本の国土に影響のあるものを使って、販売会社の皆さまがお客様にアピールできるような仕組みはポテンシャルがあると思います。

車が廃棄された後のサステイナブルな取り組みについて教えてください。

マティアス:BEVに関する取り組みですと、日本では、約2年前から豊橋でバッテリーのリサイクルを始めています。専門業者にバッテリーの中身を分解してもらい、ブラックマスを再利用するプロジェクトも運営しています。ヨーロッパでは、急速充電施設での蓄電池型超急速EV充電器としてバッテリーを再利用しており、再生エネルギーをキープするために使われています。

トークセッションを終えて

プレフ:非常に有意義な、学びの多いやりとりをさせていただきました。変革は長い道のりだと思います。逆風が吹くこともありますが、プラスの面に目を向けて前進していきます。ステイクホルダーのみなさんとのつながりが重要だと思いますので、みなさんと協業しながら前進して参ります。

弊社はこれからもお客様に持続可能なモビリティを最高の形で提供し、
すべてのビジネス分野においてサステイナビリティを貫いて行動していきます。

本トークセッションは動画でもご覧いただけます

GXと電気自動車の未来を語る
Audi Green Transformation トークセッション

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イベントで展示されたAudi Q6 e-tronの特別展示会を開催

Audi Q6 e-tron Special Preview
1/11 sat. - 3/16 sun.

ドイツ本社から特別に空輸した欧州仕様のAudi Q6 e-tron を先行限定公開し、 実車をご覧いただける「Audi Q6 e-tron Special Preview」を弊社各ショールームで開催いたします。

※各ショールームによって開催日が異なります。
※展示のみでご試乗はできません。

イベントの詳細はこちら