2023年8月掲載

My Style with Audi
Audi S4 Sedan| 南部鉄器職人 田山 貴紘

革新を伝統に溶け込ませる。
南部鉄器職人が語るAudi S4 Sedanの魅力。

今回インタビューをするのは南部鉄器職人の田山貴紘氏。
田山さんは、会社員を辞めた後、地元盛岡に戻り南部鉄器職人としてのキャリアをスタート。
伝統工芸の持つ普遍的な価値を残しつつ、次の時代に残していくための方法を模索するために立ち上げた「kanakeno」。
時代が積み上げてきた南部鉄器の価値を受け継ぎながら、今の時代にあった在り方を提案する田山氏に、Audi S4 Sedanの魅力を語っていただきました。

PROFILE

田山 貴紘  タヤマスタジオ代表

1983年生まれ、岩手県盛岡市出身。
東日本大震災を機に東京からUターン。2013年南部鉄器職人として田山和康に師事、同年タヤマスタジオ(株)を設立。2017年丁寧を育む鉄瓶ブランド「kanakeno」をリリースし、国内外への南部鉄瓶の販売、南部鉄瓶のアップデートに取り組む。同ブランドでは市民と学ぶ講座「てつびんの学校」、新しい鉄瓶ショールーム「engawa」、持続可能な若手職人育成の仕組み「あかいりんごプロジェクト」などを実施。

作り手の視点だけでなく、時代に合わせた生活視点から南部鉄器を見つめなおす。

▲あかいりんご

田山:伝統工芸はここ40年ぐらい斜陽だと言われていますが、やっぱり不変的な価値はあります。斜陽になった原因の一つとして、これまで伝統に注力し過ぎたところがあるのかなと思っています。父親も職人をやっていて400年の間、脈々と人から人に伝わっている知恵とか技術がある。そういった素晴らしい面がある一方で、社会の中でちょっと取り残されている部分が混在しているような業界だなと感じます。一職人として、南部鉄器にある価値をもう一回、社会に届けたいなということで「kanakeno」を立ち上げました。いいものを作るということは当然ですが、それをどうやったら社会に届けられるか、受け取ってもらえるかというようなことをずっと考えています。例えば、カフェをやって鉄瓶で沸かしたお湯を体験してもらったり、小売の店舗では他の工芸品と一緒にご提案をしたりすることで南部鉄器の良さを伝えようという試みをつづけています。

飽きのこない普遍的な美しさ。伝統を残しつつ時代性を受け入れるバランス感が良い。

田山:セダンはやっぱりいいですね。車の基本はセダンだと思っていて、かつ大人な雰囲気があります。だからまだセダンに手を出してこなかったんですけど、そろそろ似合う年齢になってきたかなという感じです。やっぱり高級感もありますし、車本来の楽しみ方をできるというところに魅力を感じます。なんでもそうだと思うのですが、あんまり時代に迎合しすぎると、全部同じになっていってしまうじゃないですか? でもAudi S4 Sedanは変えるところは変えつつ、変えないところは変えないというこのバランスが、僕は結構好きだなと思っています。私たちがつくる南部鉄器も、変えないところと変えるところのバランスはすごく意識していて「あかいりんご」はまさにそこから生まれています。「あかいりんご」は名前の通り、りんごをモチーフにしています。一般的な南部鉄器は少しごてごてしているフォルムが多かったりして、現代の家に置くとなるとちょっと馴染まないと考える人もいます。なので、もう少し現代の生活シーンになじむような形を考えた結果、今のような丸みを帯びたフォルムになりました。

細部までこだわりぬいたデザインが言語化の難しい魅力を作り出す。

撮影協力:岩手県立美術館

田山:Audiは独自の美学をしっかり持っているなと感じます。それがどういうところかっていうのは言語化が難しいんですけど、街で見かけたときも、一目見てAudiの車だなっていうのが分かるんですよ。たぶんそれって、ラインの微調整だったりのすごく細かいところにこだわっているからなんだと思います。鉄瓶をつくるときも、使う人が見て正直分からないような、微妙なラインの調整とかを突き詰めてやります。そういう細部のこだわりは、なかなか言語化はできなくても、ぱっと全体を見たときに綺麗に見えるかどうかに大きく関わります。そういうところに作り手としてはすごくこだわっているので、Audi S4 Sedanを見たときにもそういうところを考えてしまいますね。

南部鉄器にこれで完璧というのはない。だからこそ奥深く、果てしない。

田山:車もそうだと思うんですけど、南部鉄器にこれで完璧っていうのってないと思うんですよ。やればやるほど、技術的な部分については果てしなく課題がみえてくるんです。職人の世界、とくに一昔前までは30年、40年やってようやく一丁前と言われるような世界なので。そこから、自分なりに、いかに平面に立体感のある模様をつけるかとか、今の人に受け入れられやすいデザインってどんなものか。使う人の話を聞き、時代が求めるものを理解して、それを物として実現するにはどうしたら良いのかっていう事とか。その時代時代によっても答えは変わるので、これで完璧というのはないんですよね。伝統的で普遍的な良さや美しさを残しつつ、今の時代に使いやすいものを考えてつくる。でもそういった難しさが、南部鉄器の奥深さや、面白さにも繋がっていると思うんです。車もどんどん新しい機能がついていくものだとは思うんですけど、それでもみんなが求める普遍的な価値というのはあると思います。良い部分を残しながら、新しさを融合させていくという点は共通する部分はあるように思いますね。

アクセルを踏み込むとしっかり反応してくれる。山も都心も、全国を走ってみたい。

田山:最初にこのAudi S4 Sedanを見たときに、直感的に走りそうだなと思いました。実際に乗ってみると、見た目から想像していた以上に、アクセルにしっかり反応してくれるのを感じました。またAudi S4 Sedanはシーンに合わせて乗り味を変えられるのがすごくいいですね。今回はアウディドライブセレクトのコンフォートとダイナミックの2つのモードを体験させてもらったのですが、ダイナミックでは走る楽しさをちゃんと感じつつも、家族と乗るときはコンフォートモードにしようかなとか選べるのは、生活に寄り添ってくれている感じがしましたね。僕はけっこうドライブが好きなので、せっかく乗るなら全国をまわってみたいなと思いました。仙台の辺りみたいな、くねくねしてたり、アップダウンが激しい道も走ってみたいし、首都高は安定してすいすい走れそうだなと思うし、地方の山とかも走りごたえありそうだなと思います。本当にいろんなところを走ってみたいですね。アクセルの反応が良いので、どこを走っても気持ちよく走れると思います。

生活の中の道具として、機能性はすごく大事。でもそれだけじゃない魅力がある。

田山:鉄瓶も車も、生活の中の道具なので使いやすさというのはすごく大事だと思います。鉄瓶だと、時代に合わせて家族の数も減ってきたので、少し小さくしても十分だよねとか。日常使いを考えて、より注ぎやすく、より持ちやすくというのはすごく気を付けて作ってます。一方で、そういった機能とは別に、そのものが持つ哲学とかも大切にしたいです。車は移動のためのツールではありつつも、やっぱりメーカーなりのこだわりが見えてきて、それが乗っているときに伝わってくる、わくわくする車がいいなと思います。鉄瓶でいうと、使っていく中で経年美化をしていき、どんどん愛着が湧いてくるところが、買った時が一番きれいで徐々に劣化していく工業製品とは違った魅力です。機能だけじゃなく、背景にある思想のようなものや、伝統の重みといったところにもすごく価値を感じますし、自分が何かを選ぶときの大切にしていることです。

南部鉄器職人 with Audi S4 Sedan

田山 貴紘が感じたAudi S4 Sedanの魅力とは

田山:Audi S4 Sedanを運転してみて素直に感じたのは、車を運転するのって楽しいよねっていうことが、乗っていてちゃんと伝わってくる車だなと思いました。まずひと目見た時からカッコいい、走りそうだなというのを感じさせてくれるし、ただカッコいいだけでなくAudiとしてのこだわりやアイデンティティがちゃんと感じられるのがすごくいいですね。もちろん走らせたら、スポーティで、操作もものすごく素直に反応してくれて走りやすい。そんな車本来の楽しみを味わえつつ、アウディドライブセレクトによる乗り味を変えられるモードだったり、ドライブを快適に支えてくれる先進的な装備も兼ね備えているのがAudi S4 Sedanの良さだと思います。