2024年6月掲載

Audiオーナーからモータースポーツの世界へ
女性レーシングドライバー | 武尾 幸子

もともとモータースポーツとは縁もゆかりもなかったSALLYさんこと武尾幸子さんは、Audiを購入したことがきっかけでサーキット走行に興味を抱き、
それが高じていまではレース専用の「VITA-01」という車両を駆って年間10戦のレースに出場するほどのモータースポーツ愛好家になったスポーツ・ウーマン。
そんな武尾さんに、Audiとの出会いやその魅力について語っていただいた。

武尾:「私、1980年代後半を大学生として過ごしていて、ウィンドウサーフィンを楽しんでいました。それで当時の先輩が、モデル名ははっきり覚えていないものの、Audiのquattro®に乗っていらっしゃったんです。それが本当に格好いいなあと思っていたんですが、値段を聞いたらビックリで、とても高価で手が出ません。それでもずっと憧れの存在で、いつかはAudiが欲しいと思っていました。」

そうした想いは、2004年から3年間にわたって中国・上海に勤務している間も抱き続けていたという。

武尾:「中国ではクルマは買えなかったんですが、帰国したら絶対にAudiを手に入れようと思っていました。」

帰国した武尾さんは、認定中古車のAudi A4 Avant 1.8Tと出会い、一目惚れしてしまう。

武尾:「もう、すごい出物だったせいもあって、見た瞬間に気に入って購入を決めました。Audiとのお付き合いは、それからですね。」

Audiのどこが、それほど魅力的だったのだろうか?

武尾:「デザインが素敵です。スポーティなイメージがあるのに、洗練されている。あとは運転席回りの操作系も使いやすいですし、夜になるとキャビンをほのかな灯りで照らしてくれるアンビエントライトもカラーがいろいろ選べてお気に入りです。それ以来、ずっとAudiに乗り続けています。」

続いて初代Audi Q5を新車で購入。もっとも、この頃の武尾さんといえば、サーフィンやスノーボードなどに打ち込んでいて、クルマはあくまでもスポーツを楽しむ場所まで移動するための“足”に過ぎなかった。

武尾:「それが、なぜかRSモデルにものすごく魅力を感じるようになって、発売されたばかりのAudi RS Q3を購入しました。」

これと前後して、武尾さんはアウディジャパン販売(AJS)が主催する各種イベントに参加するようになる。

武尾:「まだAudi Q5に乗っているときに、アウディジャパン販売(AJS)さんが福島県の裏磐梯でスノードライビング・イベントを開催することをネットで知って、これに参加したのが最初だったと思います。」

それは、スキー場まで移動するうえでスノードライビングに自信をつけたいという気持ちが出発点だったのかもしれないが、それとともに、自分がまだ知らないことに出会うと、無性にそれに挑戦したくなるという武尾さんの気性も影響していたようだ。

武尾:「その後、Audi driving experience(ADE)で富士スピードウェイ・ショートサーキットを走ったんですが、これがモータースポーツにのめり込むきっかけになりました。」

このイベントでは、インストラクターがドライブする先導車に続いて参加者全員が同じモデルを走らせたが、ここで武尾さんは意外な体験をする。

武尾:「私、一般道では結構、運転に自信を持っているつもりだったんです。それなのに、ほかの参加者の方にまるでついていけませんでした。」

これで武尾さんのチャレンジ精神に火がついた。AJSのイベントを通じてAudi A1を用いた“Audi A1 Fun Cup”というレースシリーズあることを知ると、これにエントリー。モータースポーツは初挑戦だったにもかかわらず、全4戦で5位もしくは6位のコンスタントな成績を挙げ続け、なんとシリーズ7位でシーズンを終えたのである。

「それは素晴らしいリザルトですね」とお声がけすると、「そうですか? でも、私の運転スキルは、すべてAJSさんのイベントとADEがベースになっています」と爽やかな笑顔で答えてくださった。

ここに挙げた以外にも、武尾さんはAJS主催のイベントに数多く参加されたそうだが、その魅力はどこにあるのだろうか?

武尾:「ホスピタリティが充実しているうえに、アットホームな雰囲気がいいですよね。それにイベントそのものがいろいろとバラエティに富んでいて、たとえばモータースポーツ系なのにホテルでのパーティーと抱き合わせになっていたりとか、葉山マリーナで行われたヨットレースの観戦ツアーに参加したこともあります。あとは、レーシングドライバーの織戸 学さんが運営されている“130R YOKOHAMA”でイベントが行われたときには、この世の中にレーシングシミュレーターというものが存在していることを初めて知りました。」

一見したところ大型のビデオゲームのようにも思えるレーシングシミュレーターは、ゲームよりもはるかに正確にクルマの挙動を再現するもので、いまではF1を始めとする最高峰カテゴリーでもドライバーのトレーニングやマシン開発になくてはならない存在とされている。そんなモータースポーツの最先端に触れることができたのも、AJSのイベントに参加したからだと武尾さんはいう。 いずれにしても、AJS主催の和気藹々としたイベントと、いま武尾さんがVITAで参戦している本格的なレースとでは、ご自身の心構えも周囲の雰囲気も大きく異なっていることだろう。

武尾:「本当は私、悔しい思いをするのは好きじゃないんです。でも、レースが終わると、その悔しさも楽しさに変わっていたりする。だから、競い合うのは面白いですよね。」

そんな武尾さんが出場した富士スピードウェイでのレース“KYOJO CUP 第1戦”にお邪魔した。女性ドライバーだけがエントリーできるこのレースイベントは発足から8シーズン目を迎えて、なんと28台が出場する激戦区へと成長。今年からシリーズ参戦することになった武尾さんは、ここで予選25位、決勝24位という成績を残した。

武尾:「今日のレースは悔しかったんです。Aコーナーとかヘアピンコーナーの立ち上がりでは、クルマの向きが変わったところでアクセルペダルを100%踏み込むのがサーキット走行の基本なんですが、長らく普通にクルマを運転してきた私には、これがなかなかできません。それが、昨日の夕方に行われた練習走行では少しずつできるようになったので期待していたんですが、まだそれを確実に実行できるだけの実力が身についていなくて、徐々に差が開いていきました。」

したがって、この操作をしっかりできるようになることが、当面の課題だと武尾さんはいう。

武尾:「いま、とりあえず2分4秒台のラップタイムはコンスタントに出て、3秒台がまぐれで出るという感じ。ただし、サーキットを3ヵ所に分割して、それぞれのセクションで私が記録したベストのタイムをつなぎあわせると2分2秒8くらいになるので、まずは2分2秒台前半をコンスタントに出せるようになって、次回はなんとかトップ20に食い込むことが目標です。」

そんな武尾さんの現在の愛車は最新のAudi RS 3 Sedan。

武尾:「Audi RS Q3のあと、スタイリングに惹かれてAudi TT RSを手に入れたんですが、どうしてもアンダーステアが消せなかったので、RSトルクスプリッターが搭載されたAudi RS 3 Sedanを買いました。」

このAudi RS 3 Sedanに、いま武尾さんはぞっこんのようだ。

武尾:「女神湖では氷上の定常円旋回ができるようになりましたし、普段遣いにも不満はありません。特にマトリクスLEDヘッドライトが気に入っています。ドアロックを解除したときに"RS 3"という文字が浮き上がるのも素敵ですし、暗い夜道でも隅々まで明るく照らし出してくれます。特に、私は郊外に住んでいる関係で、夜間は道端に動物が現れることが少なくないのですが、Audi RS 3 Sedanだったら本当に安心。実は、もう1台、(アウディ・ブランドではない)ミッドシップの最新スポーツカーを所有しているのですが、そちらに比べても夜間の視界はAudi RS 3 Sedanのほうが圧倒的に優れています。もう、一生手を離さないと思います。」

サーキット走行から普段遣いまで。忙しい毎日を過ごす武尾さんのパートナーとして、どんな使い方にもぴったりフィットするAudiがこれからも寄り添ってくれることだろう。

筆者: モータージャーナリスト 大谷達也

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