2019年8月掲載

Audi Q8 / Audi A8
Audi Flagship models × Tetsuya Kato

1962年創刊、多くの自動車ファンから信頼を集める自動車専門誌CAR GRAPHIC。
その刊行を行う株式会社カーグラフィック代表取締役社長 加藤 哲也氏に Audi Q8、
そして Audi A8について語っていただきました。

PROFILE

加藤哲也
Tetsuya Kato氏

自動車雑誌「CAR GRAPHIC」に配属され、 副編集長、編集長を務めてきた。
2010年4月に二玄社から「CAR GRAPHIC」の発行を引き継ぎ、 株式会社カーグラフィックを設立。
現在は代表取締役社長として活躍している。

Audi Q8 / 新たな「8」の魅力

次の時代を切り拓いてきたモデルに並ぶからこそ、Audi Q8と名付けたのだと思いました。

Audi A8、Audi R8といった頂点のモデルにだけ許されてきた「8」を冠した SUVクーペ、Audi Q8がデビューしました。 Audiにとって特別な「8」というモデル。これまで多くの Audi 車を見つめ続けてきた加藤哲也氏は、どのような存在だと考えているのでしょうか。

加藤:端的に言えば、Audiというブランドの先進性を象徴するのが「8」というモデルでしょう。
かつて、保守的で地味な存在だったAudiが、先進的で魅力的なブランドへと変化できたのは、魅力的なアピアランスに加え、独自のテクノロジーへの挑戦があったから。オールアルミボディのアウディスペースフレームを採用した初代Audi A8しかり、レースシーンからのフィードバックを多く採り入れたAudi R8しかり。そういった、次の時代を切り拓いてきたモデルに並ぶものだからこそ、AudiはこのモデルにAudi Q8と名付けたのだと思いましたね。一切の妥協を排したAudiの理想とも言うべき世界がある。それが「8」を冠するモデルなのだと考えています。

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まさしく「8」に相応しい走り。SUVならではのドライビングプレジャー。

加藤:まず、Audi Q8の第一印象として、スタイリングからは Audiらしい明るさが感じられます。プレミアムブランドとしての格調の中に見え隠れするエモーショナルな要素は、私が考える Audi最大の美点のひとつ。見事に、SUVクーペというカタチに昇華されていると感じます。
そして、走りは自動車としての完成度が非常に高いことが印象的。乗り心地、ハンドリング、静粛性、パワー。それにコックピットのインターフェイスも。あらゆるものが、フラッグシップサルーンであるAudi A8と同じベクトルを向いている。 まさしく「8」に相応しい走りです。その上で、Audi Q8にはAudi A8とは異なるSUVならではのドライビングプレジャーがある。

見晴らしのよいドライバーズシートに座っていると、パッセンジャーのために、長距離を淡々と走ることさえ楽しいと思える。タンクに燃料が入っている限り、道を問わずどこへでも、どこまでも行けるという気持ちの余裕も、SUVでしか味わえないもの。これはいわゆるスポーツドライビングというのとは違う、新しい走りの悦びだと思います。

加藤氏が考える「SUV」という存在について。

加藤:実は私、以前はSUVという存在にちょっとした抵抗感を抱いていました。私が若い頃は、SUVでホテルのエントランスに乗り付けるという行為は、覚悟と度胸が必要なことで、そういう時代を経験しているからこそ、SUVに対して食わず嫌いにも似た感覚があったのかもしれません。

その後、時は流れて、時代の空気感は変わりました。こうあるべき、という画一的な価値観は薄れ、様々なものが個人の自由に委ねられるようになったと思います。自由だからこそ逆に大人の良識を大切にしたい。TPOをわきまえ、自分が心から納得できるものを選ぶことが大切になっているのだと思います。ショールームでシートに身を預けてステアリングを握り、身体を通じて感じられるタッチとフィールを味わってみてください。その上で、いつもの暮らしにこのクルマを加えたところを想像できるとしたら、もうAudi Q8を迎え入れる準備はできていると言えるのではないでしょうか。

Audi Q8が似合いそうな人とは?

加藤:私が愛用しているタリアトーレというイタリアのブランドがあります。今、私が着ているジャケットもそのブランドなのですが、そのオーナーにしてデザイナーの、ピーノ・レラリオさんの顔が脳裏に浮かびましたね。彼はAudi S8を愛車とし、プライベートのカートコースを持つくらいに走りを愛する人なんです。イタリア語で「裁断士」を意味するタリアトーレというブランド名のルーツを大切にしながらも、チャレンジを止めずクリエイティビティを忘れない、細部にまで手を抜かない。そんな彼なら、次の愛車にAudi Q8を選ぶかもしれません。常に自分なりの価値基準を持ち、自らの審美眼を信じて前へと進む。そんな人には、 最高の選択になるのではないかという気がします。

Audi A8 / 「A8」こそ Audiというブランドの「軸」

変化のスピードの速い今だからこそ、
変わらないものの価値が高まっている。

加藤:お話してきたように、Audi Q8は魅力的です。しかし、 その魅力を支えているのが、実はAudi A8という存在だと思うのです。やはりA8は、Audiというブランドの軸となる存在だと断言できます。自動車の基本形であるセダンとして、Audi の考える最高の自動車を追求しているからこそ、Audi Q8 をはじめとした各種のモデルが、それと同じ世界感を目標としてクオリティを高めることができるわけですから。

1年前のものが古くなってしまうほどに、変化のスピードの速い今だからこそ、そしてフォーマルのかたちがひとつではないからこそ、変わらないものの価値が高まっている。 私はそう思います。Audi Q8を検討中でしたら、ぜひAudi A8も併せて試乗してみてはいかがでしょうか。いま、敢えてボンネット、キャビン、トランクなど自動車としての要素を全て備えた普遍的な存在であるセダンを選ぶことの魅力。素敵だと思います。悩む時間は増えるかもしれませんが、それもきっと楽しいひとときとなるに違いありません。

フォトギャラリー

Audi Q8が誇る「SUVクーペ」という言葉が相応しい、力強さと艶やかさを兼ね備えたスタイリング、ラウンジのような心地よさと先進性が融合したインテリア等を、心ゆくまでじっくりとご体感ください。