Luxury Experience
Audi Grand Tour 2025 in Europe Report
Vol.1
オーストリアのリゾート地「ザルツカンマーグート」を舞台にハイパフォーマンスモデルで巡るツーリングと
Audi Sportの本拠地ノイブルグでのAudi Driving Experienceをお楽しみいただいた様子を2回に渡ってレポートします。
初回レポートではDAY1-DAY3の様子をご覧ください。
10月4日(土)DAY1
まだ日中は暑い日本から長いフライトを終えて降り立ったミュンヘンは、すでに晩秋の気配。想像を超える寒さに、急いでダウンやアウターを取り出し、重ね着をするほどの気温でした。
ミュンヘン空港を出たヒルトン側の広場。目の前には、明日からお世話になる「Audi Conference Center Munich Airport」があります。
集合・宿泊場所はターミナル1と2の中間に位置し、空港の中心施設である「ミュンヘン・エアポート・センター」の一部を担う「Hilton Munich Airport」。初日のスタートに向け、チャーターバスに乗り込みディナー会場へ向かいました。
『Hilton Munich Airport』はターミナルビルから徒歩でアクセス可能な抜群のロケーションが魅力のひとつ。
広々としたお部屋とスパやサウナなどの施設も充実しているので長旅の疲れも癒せます。
ホテルからバスで約40分走り、老舗レストラン『KÄFER-SCHÄNKE』に到着。こちらは、高級住宅街として知られるボーゲンハウゼン地区に建ち、1960年の開業以来、地元の人々に愛され続けている人気店です。
『KÄFER-SCHÄNKE』の外観。一階にはデリカテッセンが入っており、今もなお賑わいを見せています。
『KÄFER』そのものが、ミュンヘンの上流文化・社交界を象徴する存在で、同市では「伝統ある老舗」として位置づけられています。建物は個性的な19の個室で構成されており、日本からのお客様のために用意された部屋は『BESTECKSTUBE(カトラリー)』と名付けられています。銀や象牙のカトラリーなど貴重な品々は、往時の食卓文化を今に伝えるもので、本物の『KÄFER』の伝統を特別なお客様に体験していただきたいという配慮のもと、用意された部屋でした。
提供されたお食事はバイエルン地方の郷土料理を中心に、この日のために日本人向けにアレンジされたフュージョン料理が用意されていました。「ブリのカルパッチョ」や「生パスタのリングイネ ポルチーニのクリームソース 白トリュフがけ」、そしてバイエルン地方原産のゲルプフィー種を使った『牛もも肉のステーキ』には、郷土料理の『ブラートカルトッフェルン』をワッフル型で香ばしく焼いた添え物が盛り付けられていました。

『ブリのカルパッチョ』
きゅうりなどの冷菜をクルーセル状に敷き詰め、その上に塩と燻製で味付けしたブリをのせた一品です。バイエルン地方の郷土料理には生魚はほとんどありませんが、日本人向けにアレンジされたフュージョン料理のひとつで、食べやすく日本人の口にもよく合う一品でした。
『生パスタのリングイネ ポルチーニのクリームソース白トリュフがけ』
このお店で最も感嘆の声が上がった一品。旨みが凝縮されたソースに、白トリュフの香りが漂う、まさに素晴らしい一皿でした。
『牛もも肉のステーキ』
バイエルン地方原産のゲルプフィー種を使ったステーキ。赤身と脂身のバランスが良く、ジューシーでステーキに最適な肉質を持っています。添え物には、郷土料理の『ブラートカルトッフェルン』をワッフル型で香ばしく焼いたものが添えられていました。
デザートは、ココナッツとパンナコッタ、サワーチェリーを使った一品。ベリークリームとカスタードクリームが、ダックワーズのような生地の中にサンドされています。
美味しいお食事とワインを楽しみながら、皆様の道中での話で大いに盛り上がりました。名残惜しい気持ちもありましたが、明日からのツアーに備え、この日は早めの解散となりました。
10月5日(日)DAY2
翌朝、ホテルに隣接する「ミュンヘン・エアポート・センター」内の「Audi Conference Center」で出発前のブリーフィングを行い、いよいよ「ザルツカンマーグートツアー」に出発です。
建物入り口に鎮座する新型Audi S6 e-tron。
今回のツアーでは、今年マイナーチェンジされた電気自動車のスーパースポーツモデル「Audi RS e-tron GT Performance」、既に生産は終了していますがV10自然吸気エンジンならではの爽快な走りとオープンエアーを楽しめる「Audi R8 Spyder」、そしてフルサイズSUVでありながら4リッターV8エンジンで640馬力を発揮する「Audi RS Q8 Performance」の3モデルが用意されました。参加者は1日ごとに車種を乗り換えながら、3日間でさまざまな車を存分に体感しました。
Audi R8に積みきれなかった荷物は、スタッフの車両でお預かりします。
お天気は残念ながら曇りでしたが、皆さまと共にオーストリアへの旅への期待に胸を高鳴らせながら、カラフルなブロックのような街並みで知られるヴァッサーブルクを経由し、シムス湖近くのランチ会場まで約1時間半のドライブがスタートしました。
美しい山々を見ながらのドライブ。
途中、ドイツらしい景色を車窓から楽しみながら到着したランチ会場は『Gasthof Hotel Hirzinger』。1477年の「ホーエナシャウ領地」の古い記録に「Wirth von Selhueben(カゼルヒューベンの宿屋主人)」として初めて登場して以来、500年以上にわたり家族経営を続けている希少な宿です。併設されたレストランは約100年前に設けられ、旅の醍醐味である郷土料理を提供しています。顔より大きな「Wiener Schnitzel」の登場に、皆さまも思わず感嘆の声を上げていらっしゃいました。
看板には、1928年までここに郵便局があったことを示す「zur Post(郵便局にて)」の文字が刻まれていました。

1150年頃から1500年頃のゴシック建築に見られるヴォールト天井を模した造りを目にすると、この建物の歴史の深さを改めて感じさせられます。

『ジンジャーキャロットスープ』
今思い出してもライムの酸味が蘇るほど、一瞬驚く味わいのスープでした。しかし、飲み進めるうちに生姜が冷え切った体を温めてくれます。酸味が食欲を刺激するかのような後引く美味しさに、皆さまも「気づいたらもう一口、もう一口」と、特に女性に大人気のスープでした。
郷土料理『Wiener Schnitzel』
ミートハンマーで薄く叩いた仔牛肉に細かいパン粉を付けて揚げた料理。お店はドイツにありますが、オーストリアではレモン汁とクランベリージャムをかけて食べることが多く、オーストリア版シュニッツェルとして楽しまれています。国境に近い地域では、このような食文化の融合が見られるのも、ヨーロッパ旅行の醍醐味のひとつです。
一見リゾットのように見えましたが、シュニッツェルの添え物として提供されたのはポテトサラダでした。日本の居酒屋などで見られるものとは少し異なり、ジャガイモに塩とビネガーを合わせた、さっぱりとした味わいのお料理です。こちらも特に女性に人気の高い一品でした。

Audiグランドツアーの特別メニューの締めは「Apfelküchle(アプフェルキューヒレ)」のバニラアイスクリーム添え。18世紀初めに傷み始めたりんごを美味しく食べる庶民の知恵として生まれた料理。今では国境を超えて愛されている。

1477年の記念碑の前での記念写真。
歴史ある地元の郷土料理を満喫した後は、ツアー中の拠点となるホテル『Klosterhof - Alpine Hideaway & Spa』へ向かいました。
『Klosterhof(クロスターホフ)』は、ドイツ語で「修道院」を意味する「Kloster」と「農場」を意味する「Hof」を組み合わせた造語です。ホテルの旧館は、1500年から1800年の間、元々聖ゼノ修道院として使われていました。修道士たちはここで豊富な野菜や古来の薬草を育て、自給自足の豊かな生活を送っていましたが、第二次世界大戦の勃発により難民の宿泊施設になるなど、数々の歴史を経て現在に至ります。
オーナーは元お医者様で、施設内には1,500㎡もの広さを誇るSPAが併設されています。宿泊しながら断食やヨガなどを通じてウェルビーイングを体感できる環境が整っており、大切なAudiのお客様にも旅の間、内側からも外側からも健康になっていただきたいとの願いで、今回このホテルが選ばれました。
夕食時には皆さまお着替えをされ、素敵な装いで登場。Audi Grand Tour専用のお部屋で、特別なお客様のためだけに用意されたフルコースをお楽しみいただきました。
サラダブッフェから始まり、肉や魚、スープなどはお好みのものをチョイス。この日はスズキのグリルと牛肩肉のグレービーソースのどちらか一品を選べました。デザートは、ココナッツミルクで作ったヘルシーなパンナコッタにサワーチェリーとチョコレートクリームが添えられ、健康志向にアレンジされたお料理の数々を味わいながら、皆さま初日の行程やホテルの感想などに花を咲かせていらっしゃいました。
Audi Grand Tour専用の夕食会場。
10月6日(月)DAY3
8時半に朝食を終え、Audi Grand Tour専用のラウンジに集合。本日の行程をブリーフィングで確認した後、各自昨日とは異なる車に乗り込みました。
この日はあいにくの雨で、絶景ルートを楽しむには残念な天候でした。しかし、そんな日だからこそ、クワトロの性能が存分に発揮される瞬間でもあります。Audiの走行性能を体感する絶好のチャンスです。
午前のルートは当初ポルスタム峠経由でヴォルフガング湖へ向かう予定でしたが、世界的にも美しい湖畔として知られる世界遺産・ハルシュタット湖経由に変更されました。
雨で霞む標高の高い山々を車窓から眺めながら約2時間走ると、「真珠」にたとえられるほど美しいハルシュタット湖畔の町に到着しました。雨で山々はかすんでいましたが、美しく保存された街並みに皆さま感動し、記念写真をたくさん撮影されていました。
ハルシュタットの「ハル」はケルト語で「塩」を意味し、世界最古といわれる2500年以上前の岩塩坑があります。現在も発掘が続く塩で栄えた街であるため、お土産屋には多くの塩製品が並び、皆さまはここでしか手に入らないお土産をたくさんお買い求めになっていました。
駐車場の後ろにも高い山肌が見えます。

「真珠」と称されるほど美しいハルシュタット湖畔の町・ハルシュタットと、湖の南に連なり、約2,995mを最高峰としてヨーロッパアルプス最東端の氷河を抱くダッハシュタイン山塊は、ともに世界遺産に登録されています。この地域は、かつて岩塩採掘によって繁栄し、その名称は「塩(Salz)」と「帝国直轄領(Kammergut)」に由来しています。

塩で栄えた町の景観は今も美しく保たれています。
次の目的地であるウォルフガング湖畔に佇むオーベルジュ「Landhaus zu Appesbach」は、一見クラシカルで愛らしいカントリーハウスでありながら、1912年の創業から続く歴史の重みゆえか、どこか重厚感と気品が漂います。湖畔に面したデッキへ出れば、ウォルフガング湖の向こうに広がる山々を望む、息を呑むような絶景とともに、極上のランチをお楽しみいただきました。
ここのヘッドシェフであるトーマス・ヘフラーシェフは流石の星つきシェフ。この旅で1、2位を争う美味しいお料理でした。
お店の前での集合写真。
美味しさの余韻に包まれながら、今回のハイライトであるポスタルム峠へ向かいます。オーストリア・ザルツブルク州に位置するこの歴史ある山岳道路は、全長約28.5kmにわたってアルプスの絶景を堪能できる人気のパノラマルートとして知られています。
山岳道路に差し掛かると、強い雨はやがて雪へと変わり、周囲は一面の銀世界に。標高の高い区間を走り終えるまで、美しい雪景色が何キロにもわたり続きました。
雪と雨で冷え切った体はホテルのSPAで温め直し、装いを改めてディナー前のウエルカムドリンクを楽しむラウンジに集合。こうして、ザルツカンマーグートツアー最後のディナーをお楽しみいただきました。
ポスタルム峠
オーストリア最後の夜に乾杯。
次回 DAY4-5の様子をお届けいたします。
次回はAudi Sportの本拠地であるノイブルグの「Audi Driving Experience Center」で行われたDriving Experienceなど、4日目、5日目の様子をレポート。ぜひお楽しみに。
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