
Audiに携わるスタッフの日々の業務に対する情熱やこだわりなどをご紹介しお客様のAudiライフを支える高いクオリティ、
その背景に迫る「Audi People」。
今回は特別編として、プロレーサーとしてAudiを駆る、富田 竜一郎氏のAudiへの情熱に迫ります。
※掲載内容は2018年4月24日時点のものです。Audi Team Hitotsuyama
レーシングドライバー|富田 竜一郎
今年からAudi Team Hitotsuyamaに加わり、Super GTシリーズGT300クラスを
戦うレーシングドライバー富田竜一郎。子どもの頃から憧れだったというAudiの
ハンドルを握る彼に、レーサー視点でのAudiの魅力や、レース車輌Audi R8 LMS
と市販のAudi R8の共通点などについて聞きました。
※Audi Japan Salesは「Audi Team Hitotsuyama」のオフィシャルスポンサーです。
実はAudiは、子どもの頃からの憧れだったんです。クルマ好きの父親の影響
から、小さな頃から自動車専門誌や自動車情報番組が大好きで、海外の最新
モデルの動向も常に見てきました。そんな折り、2006年に発売された
初代Audi R8を見たときの衝撃は忘れられません。シックでエレガントで、
なんて格好いいクルマなんだって。当時は免許を取れる年齢ではありません
でしたので、せめて横に乗せてもらいたくて、父親にAudi R8を強く勧めたのを
覚えています。結局それは実現しませんでしたが、いまこうしてAudi R8 LMSの
ハンドルを握っているのはどこか運命めいたものを感じますね。
私たちレーシングドライバーは、クルマをスタイリングや走行性能といった
単一の物差しで測るのではなく、全体のまとまりとして評価します。派手な外観
ではなく、ハイパワーなエンジンでなくとも、細かい部分一つ一つが高い次元で
まとまっていて、どんなドライビングをしてもきちんと追従してきてくれる
こと。具体的に言えば、たとえばエアコンのつまみだとか、ステアリングに
付いているオーディオのダイヤルだとかというような、些細な部分をも
重視します。それら全てが自然に扱えるようになっていて、美しいデザインの
なかにまとまっている。それがAudiのクルマづくりの魅力だと感じます。
レーシングカーとそのベース車輌では、メカはもちろん内装も大きく違うのが
一般的です。しかしAudi R8の場合は、ダッシュボードやメーター周りの
レイアウトなどは全く同じ。Audi R8オーナーの皆さんの目に飛び込んでくる
光景は、私たちレーサーと同じものです。もちろんエンジンサウンドも100%
同じですね。面白いのは、耐久性を重視したレーシングカーのマニュアル
トランスミッションよりも市販のAudi R8の“Sトロニック”のほうが変速が早くて
ショックもないということでしょうか。こんなに滑らかな変速のクルマが
あるのかと驚きました。目立ちはしませんが、ライバルのスポーツカーよりも
優れているポイントの一つですね。
目標はいくつかあります。まずは、どのクラスでもいいのでル・マンに
出ること。私の師匠でありチームメイトでもある“世界の荒(荒聖治選手)”に
追いついて、海外にも名が知られるような存在になりたいと思います。また、
マカオの市街地を走るFIA GTワールドカップのようなレースで勝利することも
目標ですね。世界一のドライバーを決めるような舞台で名を示すことで、
多くの人が思い込んでいる「フォーミュラカーに乗らないと一流じゃない」
という既成概念を打破したいと考えています。
近々の目標では、日本人初のAudiのファクトリー・ドライバーになること。
そしてAudiオーナーの皆様から愛されるようなレーサーになれたら最高ですね。