2019年11月掲載

My Style with Audi
Audi A6 | 着物コンシェルジェ 木下 勝博

「木下着物研究所」を立ち上げ、着物や和文化を中心とした事業プロデュースやコンサルティングを行なう傍ら和文化イベントの企画運営、『はじめての男着物』といった本の出版、雑誌記事への寄稿など、さまざまな活動を通して着物の魅力を発信している着物コンシェルジェ 木下勝博さん。伝統を重んじながらも、今の時代に合った新しい着物の着方を提案し続ける彼の目に、Audi A6はどのように映るのか。その魅力について語っていただきました。

Profile

木下 勝博 
Masahiro Kinoshita

1971年生まれ、東京都出身。木下着物研究所 代表 着物コンシェルジェ/伝統工芸Reプロデューサー。老舗博多織元で十三年間勤務し、主に着物ブランドの立ち上げ、店舗運営と共に大手セレクトショップや百貨店にも商品供給などを行う。独立後に「木下着物研究所」を開業。現在は大手百貨店や老舗企業などを対象に、着物や和文化を中心とした事業プロデュースやコンサルティングを行なう他、近年は和文化イベントの企画運営や講演、寄稿なども多数行う。

木下 紅子 
Beniko Kinoshita

1976年生まれ、鹿児島県出身。木下着物研究所 女将 / 紅衣 KURENAI 主宰。夫の木下勝博と共に老舗博多織元の着物ブランドの立ち上げに従事し、旗艦店の女将を七年間務める。その後、和裁を学んだのち、平成28年に自身の着物ブランド「紅衣 KURENAI」をスタート。

時代に合わせた着こなしで
伝統的な和装をもっと身近に。

1年365日、国内外問わず和装で活動しているという木下氏。実際に自身が日常の中で着物を着ることで、現代における和装での過ごし方を身をもって体験しながら、時代に合わせた新しい着物や着方を発信している彼だが、もともとはITベンチャー企業に勤めるなど、着物とは全く関係ない業界の出身という異色の経歴を持つ。一見すると、テクノロジーの塊とも言える自動車とは縁遠そうにも感じるが、その出で立ちとは裏腹に、意外にもクルマ好きだと言う。その独自の視点から魅力を語ってくれた。

木下:「着物というと敷居が高いイメージがあって、決まりごとが多そうとか、疲れそうなどといった理由から避けてしまう人も多いんです。ただ、着物といってもほんの数十年前までは皆それで過ごしていたわけで、実際はそこまで難しいものじゃないんですよね。ですが、現代のライフスタイルという点で考えたときに、やはり時代にマッチしない部分はあって、私たちは今の価値観に合わせた着物のあり方を提案しています。例えば、今、私が着ているのはスーツ生地でできているものなんですが、こういった新しい着方だったり素材を発信していくことで和の文化を皆さんの暮らしの中に上手に取り入れてもらえれば、と思っています。」

変わりゆく良さと変わらない良さ。
Audi A6と和服には通ずるものがある。

木下:「Audi A6を一目見て思ったのは、このクルマだったら長く付きあっていけそうだなということです。基本的に着物というのは、洋服のように短いサイクルで形が変化するということはないんです。もちろん長い歴史の中で見れば、少しずつ変化はしてきてはいるのですが、基本的な部分は変わりません。これは伝統工芸もそうですが、時代を経ても変わらない不変的価値がそこにはあって、それが永く愛される魅力でもあるんですね。Audiにもそれがあるんじゃないかなと思います。実は知人が旧モデルのAudi A6に乗っているのですが、この新型モデルと比較してみると、新しさが詰まった先進性を漂わせながらも、ベーシックな部分はしっかりと踏襲されていてAudiらしさを感じました。」

細部まで美しく。繊細にして上質。

木下:「Audi A6と長く付き合えそうだなと思ったもう一つの理由が上質さですね。いつでも目立ちたいという人であれば、いかにもスポーツカーといった目を惹くクルマもいいですが、日常の中で使用することを考えると、あまりにも主張の強いクルマというのは私自身はちょっと気が引けるところがあって。着物でいっても、特別な日に着るような鮮やかなものもありますが、毎日となるとその選択の仕方は変わってきますよね。控え目でさりげない上質さ。例えば生地だとか、縫い方だとか、そういった細部で端正さが伝わってくる。Audi A6にもまさに、これが当てはまると思うんですね。ラインの一つひとつの美しさにこだわりを感じますし、ドアを閉める音にも重厚感がある、こういった精緻な造りが、上質さを醸し出していますよね。」

どんな場所や場面にも合う懐の深さを感じる。

1年365日和服で過ごす木下氏は、日常の中での心地よさや動きやすさを考慮した着こなしにも配慮すると言う。
木下:「私は普段、"片ばさみ"という帯の締め方にしているんです。帯の締め方というと多くの人が思い浮かべるのは、いわゆる町人結びと呼ばれる"貝の口"というものなのですが、私がしている、この"片ばさみ"という締め方は、武士に好まれた結びで、刀を挟んでも緩まない締め方なんですね。実はこの締め方って現代のライフスタイルに非常にあっていて、クルマに座る時などもそうですが、椅子の背もたれに寄っかかっても邪魔にならないんです。そういった着こなしの点でも時代に合わせることは大事だなと思いますね。」

木下:「やっぱり、こうしてAudi A6に乗ってみて思うのは、パッと一目見て目を惹くだけの派手な印象ではないけれど、落ち着きのある良さと言いますか、懐が深いと言うのがニュアンスとして近いんですかね。シートの生地や座り心地とか、乗れば乗るほど深みを感じるような、ディテールのつくりに上質さが滲み出ている感じがします。ですから、フォーマルな場所であってもカジュアルな場所であっても馴染むと思いますし、和と相性も良いと思います。着物はクルマでいうとクラシックな方が似合うと思うので、特にこのセダンは和としっくりきますね。」

伝統的でありながら、
時代の最先端を纏うということ。

木下:「Audi A6って非常にバランスのとれたクルマだと感じます。伝統的なAudiらしさを体現している継承されていく部分と、革新的な技術搭載といった時代に合わせて進化する部分、そういった伝統と先進性が上手く融合されている、そこが魅力的ですよね。私たちも、今の時代に合わせるために、ご提案する着物の色は、伝統の日本色だけではなくて、デザインの色見本などでよく使用されるPANTONEカラーなども活用してご提案しています。それは、着物をファッションとしてもっと楽しんでいただきたいという思いからなんです。より豊富な種類から現代になじむ色合いを生み出すということと、肌や顔立ち、普段来ている服装や性格など対話の中で、そのお客様に本当に合った色の着物をご提案させていただいおります。伝統的な良さを残しながら、時代性を取り入れることで新しい形を生み出していく。それは私たちの着物への考え方でもあり、Audi A6にも通ずるものがあるのではないかと思っています。」

Masahiro Kinoshita with Audi

木下 勝博にとってAudi A6の魅力とは

木下:「“着物をどうやったら美しく着れますか?”という質問をいただくことがあるのですが、私は着物が最も美しく見えるのは、その方に一番に似合った着方をしているかどうかだと思っています。それは車にも言えることだと思うんです。Audiって欧州車の中でも、こだわりを強く感じるんですよね。皆が選ぶから、それを着る、それに乗るではなくて、自分らしさを表現するものとして選ぶ。どんな服を着るかもそうですが、クルマ選びも自己表現だと思います。性能だったり、装備だったり、いろんな複合的な要素はもちろんあると思います。しかし、最終的には自分に合っているかどうか。Audi A6の魅力は、性能も先進装備もすべてが申し分なく、完成された車でありながら、それを、主張し過ぎない奥ゆかしさのようなものがある。そこにはある種、和文化のような良さに通ずる上質さが醸し出されているのかなと。様々な経験をされてこられて、しっかりと自分の判断基準を持つ、そんなこだわりのある大人に似合う車だと思います。ぜひ、この魅力はご自身で実際に、見て、触れて、乗って体感してみて欲しいですね。」